おっきりこみの基本は、巾広の麺を旬の野菜と煮込んだ家庭料理です。味付けや具材に決まりがなく、自由にアレンジできるのもおっきりこみの魅力。麺に旨味がしみこんで、旨さ最高です!
上州名物からっ風が吹く群馬は、古くから養蚕と小麦の里。そこに生きる女衆は、蚕飼いや機織りに精を出しながら、小麦の粉を挽き、独自の粉もの食をつくり上げました。巾広の生麺を野菜とともに煮込んだ具だくさんの「おっきりこみ」は、家族の健康を願う、まさに郷土を代表するおふくろの味です。
小麦粉に水を加えてこねて伸ばし、巾広く切ります。そして、生麺のまま汁に入れて煮込むのも一つの作り方です。汁の中に打ち粉が溶け出し、汁にとろみがつき、食べると体が温まるので、主に寒い季節の食事として作られています。
群馬県には、「おっきりこみ」のほかにも、桐生や館林名物の「ひもかわ」など、さまざまな種類の巾広の麺があり、郷土の食文化として広く県民の間に根付いています。
特に、織物のまち桐生の「ひもかわ」の麺の巾は1.5センチ程度から十センチ以上と店によってさまざまです。
農林水産省が発表した「農村漁村の郷土料理百選」で群馬を代表する郷土料理の一つとしておっきりこみが選ばれました。